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城崎温泉

城崎道中独案内 <昔話>

独鈷水

古き時代より城崎には、数多く語り継がれている
伝説と民話が残っています。
城崎に来られた際に伝説や民話を訪ねて
散歩されてはどうでしょうか?


極楽寺の裏の墓地を通り過ぎると、涼しい岩かげから清水が湧き出ています。この清水を城崎の人は昔から「独鈷水」といっています。

 独鈷とは、仏さまが手にしていらっしゃる金属製の仏具であって、きわめて大切なものです。なぜ、この清水を「独鈷水」というのでしょうか?
 今から約400年前、道智(どうち)上人様が奈良の都からこの地にやってこられました。「何とかして悪い病気で苦しんでいる人々を救いたい。そのために名湯を発見したい。」と祈願されましたところ、夢の中に白髪の老人が現れて、「上人よ、汝の求める温泉は、ここから西南にあるビランの木の下を掘るがよい」といわれ、姿を消されました。

 上人はそのお告げを信じて、今のまんだら湯の場所に庵をむすび、八曼陀羅経(はちまんだらきょう)というありがたいお経をあげながら、一千日という永い年月温泉湧出を祈られました。満願の日、とうとう求める霊泉が得られました。これが、城崎温泉の浴槽を設けた初めであるといいます。

 道智上人が、温泉湧出を祈って「行」を続けておられる時、お手にされている「独鈷」で、岩壁をつついて得られた清水なので、「独鈷水」といい、上人は庵で常々仏前にお供えになるお水にご使用になったのだそうです。

 この「独鈷水」は真夏の日照り続きでも絶対にたえることなく、こんこんと湧き出る冷たい美しい水なので、昔の人々は「あぁ、独鈷水がいっぱい飲みたい」と病人が言い出したら死期が近いのだといい伝えていました。この水は山門をくぐった蹲い(つくばい)にひかれています。


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